2014年12月24日水曜日

【KOKIA】管弦楽の生伴奏「Falling in love with the orchestra」に行ってきた







編成人数
【Strings】【41】
*1st,2nd22
*Vio8
*Cello6
*Conb5
【Brass】【10】
*Trp2
*Horn4
*Trb3
*Tuba1
【Wood】【8】
*各2本ずつ
Piano1
Harp1
Timpani1(4個)
Bass Drum1
Percussion3

個人名義は2,3曲しかしらず、管弦楽というので勢いだけで行った。
MCの気持ち悪さが梶浦由記といい勝負。
MC1発目から「今日はオーケストラに恋をして帰ってもらいたい」www
40にもなろうかという者が1万円弱の管弦楽に来た客に対して恋www
次のアルバムではアームストロングに関する歌があり、どこそこにいてなにそれを見かけてアームストロングの歌みたいだな、と思って作った、と説明したあとに、歌詞がどこそこにいてなにそれを見かけてアームストロングの歌みたい、とそのまんまで酷くて笑ってしまった。
MCの口調も「なにそれがありました。その時にうんぬん」と物語調の口調で聞いていられなかった。
KOKIA名義の曲は2,3曲しか知らず、やとわれ歌手のほうが既知は多いのだが、個人だと曲や歌詞や態度はこういうもんなのね。
歌詞に「Aみたいな(のような)B」が多い気がする。
比喩としてAを出しておきながら対象がBであると宣言すると比喩であるAが無意味になるからやめてほしい。
限定版ステッカーが売れずに宣伝しろと言われたので買って帰ってくれというのは面白かった。

指揮者の紹介と念願の生管弦楽には触れたが、編曲には何も触れなかった。
パンフによると編曲は江口貴勅。
10年くらい前のゲームしから知らないが、今はこんな事をやっているのね。
たしかクラシック畑では無かった気がするが…。

木管による静かな埋めや、ポップスの様式とちゃんと区別して低音無しの間や、ブラスのsfzや全体のブレイクなど、しっかりと抑揚があって疲れずに乗れた。
それだけに、歌詞と曲調の「とにかく世界礼賛と見せかけた自己陶酔」の均質が退屈。
全曲Let it Goみたいな…。

欲を言えば、ピアノはいらなかった。
ピアノが万能なので、静かに細かく間を埋めるのを、管弦だけでどう攻めるか聞きたかった。
その割には、ちゃんと弁えていて、ピアノが伴奏の中心にはならず、あくまで添え物としての役割を全うしていた。
ベンヤミンヌスの生演奏を聞いた時にも思ったが、やっぱ生のグランドピアノって飽和が凄くて響くけど籠って聞こえてしまう。

1曲目からして、管弦楽の音がマイク,スピーカ感が無く聞こえたのに驚いた。
ティム・バートン&ダニー・エルフマン映画音楽コンサートでは編成は申し分ないのに1発目からマイク,スピーカ丸出しの音で見た目よりも迫力に欠けたけど、東京国際フォーラムと違い東京芸術劇場は初めてだったが、生が響いた上で機材を通す感じで良かった。
2階の左端という底辺席だったが、歌の埋まり以外は何も違和感なく曲に乗れた。
しかも、自動販売機は紙コップだったが、購入後の取り出し口がなんと自動開閉!
1人だったけど「それ町かよ(アニメのオリジナル話)」と興奮してしまった。

歌は申し分ない。良い声だしブレない。
しかし、息継ぎはともかく、リップノイズが酷かったw
歌はあまりEQを通さずかスピーカか自分の席の影響か、高次倍音をいじっていないのか伴奏のマスキング関係なく少しこもって聞こえた。
上が無いな、と感じるのにディエッサーを噛ませていないサ行のつんざきやリップノイズの目立ち。
そして、マイクを使ってるのだがら当然だが伴奏に対してマイク使ってる飽和と誇張と減衰の機材感が半端ない。
正直なところ歌の音質はカラオケかと思った。
歌のせいか機材のせいか席のせいか、歌詞を聞き取れないことも多かった。
ウィンドチャイムやシンバルなど金物も、よく響いてるけど上が無い感じで6khzくらいで切れてる感じがした。自分の席との距離で消えてしまったのかもしれないが、9khz前後を少し持ち上げたかった。

バスドラすげえ響いて、いい音してた。
響きすぎて浮いてたくらいで、叩かれるたびに笑ってしまった。
この低音を聞けるだけで生演奏に来る意味がある。
映画はIMAXみたいな。

聞いていて思ったのだが、坂本真綾は4年に1度くらいで良いから、伴奏は管弦楽だけのライヴをやるべきだ。もちろん菅野よう子が全曲を編曲して。

地味に良かったのは、アンコールが無かった。
伴奏が続くなかでこれが最後と明言して挨拶して、伴奏終わってすっきり退場。
潔くて良かった。

場内の撮影はご遠慮ください、をガン無視して撮ってた底辺は、見つけて携帯電話を確認したら1発退場にしろ。
携帯電話の確認を拒否しても即退場。
そして、その規制を法律で保障し合法化しろ。
遠慮とか言ってねえで「禁止」と明言し、当然それでも無視する底辺は幾らでもいるから、見つけ次第、払い戻し無しの1発退場。
注意を無視して撮影してた客が終わって感動したとか最高だったとか言いながら帰ってる中で、場所や内容を問わずにそういう底辺はいるが「(私のいる)世界って素晴らしい」自己陶酔の商品に対する客層ってこんなもんなのかと、印象が悪かった。

1830に開演
1910に20分の休憩。
1930から再演。
2015に終了。