2015年10月4日日曜日

【ヨッシー ウールワールド】どうして大人が泣いてしまうのか。それは「ヨッシー」が自分であり、自分の子供だから。

トレイラを見て、凄く萌えたが、ほんわかだけじゃなく、何故か悲しいというか心苦しい感じがした。
その理由をわからず、とにかく心揺さぶられたので勢いで購入した理由をプレイしながら考えていた。

これまで、ヨッシーは人気キャラとして多くのファンを生み増やしてきた。
任天堂でも上位の萌えキャラである。
しかし、ウールワールドこれまでのヨッシーとは明らかに違う。
可愛いだけじゃなく、どこか、もどかしく苦しい。
その理由が今更ながらわかった。
これまでのヨッシーは姿勢や動作はあくまでアクションゲームのキャラとしてしっかりしたもので大人なのだが、今回のヨッシーは挙動が赤ん坊なのだ。
こんな簡単な事に、クリアするまで気が付かなかった。

本作は、敵を倒して進んで行くアクションゲームだが、自由な動きを際立たせるために敵がいるのであって、敵を倒すのが目的ではない。
何のしがらみもなく、見えるもの触れるものを疑わず恐れず、走り跳び投げて進む。
見上げれば「ん?」と声をあげて、足を広げてポチに座り、全体重を乗せて全身をつけて氷を滑る。
大人は、ヨッシーに、かつての自分であり、もう失われた自分であり、今の子供を見ている。
比喩でなく、親であれば、これをプレイしている子供を目の当たりにする。
幻想的で日常的。

よつばとに似ているが、明らかに異なりヨッシー ウールワールドが優れている点は子供が夢中になる
よつばとは、かつてという前提ありきで大人から見た子供であり、だから子供が読んでも楽しくない。

ヨッシー ウールワールドは子供が同じ感覚のヨッシーに同調して、大人はかつてと自分以外の今を見て楽しめる。
現役と退役の両方をおさえて、いずれも楽しめるのが凄い。

Miiverseを見ると、何を描いてるのかわからない抽象画みたいな子供の投稿と、Splatoonにも負けない丁寧な萌えゲームなのに過疎っぷりが半端なく、2重の意味で泣けてくる。

個人的には、子供を持たないと決めているので、この作品で得たものは、必ずしも肯定的な感動に限らないが、だからこそ、子供の存在を思い知らされ、そこに喜びと偉大さを感じられる。

幾つかの小さな不満

  • 意図して難易度を低くしているのにチェックポイントだけ戦略性を求められる。
  • これだけヨッシー至上主義なのに、ヨッシーの挙動だけを楽しむモードが無い。攻略不要のヨッシー自宅や、撮影モードなど。
  • ボス音楽がぬるい